株取引などで、よくニュースで目にした「量的金融緩和」とは何だったのか、「量的金融緩和の解除」とは具体的に何を意味するのでしょうか。基本を説明しておくことにします。

日本銀行に口座を持っている(つまり日本銀行と取引がある)金融機関には、「資金が恒常的に不足している金融機関」と「恒常的に余っている金融機関」があります。

前者はおおむね都銀、後者は地銀、信金、農協系金融機関等です。前者はいささか乱暴に言うと「受け入れ預金より貸出が多い金融機関」であり、後者は「貸出に比べ預金が多い金融機関」なのです。

これらの金融機関が、互いに短期の資金の貸借を行っている場がインターバンク市場(金融機関だけが取引できる市場)です。もちろん都市銀行が主な資金の調達者となる一方、農協系の金融機関や信託銀行、地方銀行等が資金の供給者として登場します。

ここで取引された結果、成立している最も重要な金利が「無担保コール翌日物」です。これまでは、これがおおむね「0.001%」。つまり事実上「ゼロ金利」だったのです。これが「ゼロ金利政策」と呼ばれるゆえんです。

金融持株会社の一番のメリットは、持株会社がグループ全体の経営戦略を考え、最適な経営資源の配分を行うことができるということです。

また、企業統合の場合、人事や処遇(賃金など)の合併にともなう諸問題を回避し、統合、再編ができます。かつての大銀行同士の合併の場合、人事や組織、企業風土が異なるため、合併による経営効率の向上が得られなかったこともありました。

破綻金融機関の救済は、従来、余力のある金融機関に吸収合併させる方式が主流でしたが、この方式では資産だけではなく、負債もすべて引き受けなければなりません。

不良債権処理などで引受側の余力も減少し、負債の額を見極めないで引き受けることは難しく、破綻金融機関救済は難しい状況となりました。

しかし、持株会社の統合であれば、債権、債務を継承しないで、再建を図ることが可能となります。

一方、デメリットとしては、持株会社が強大になると、自由な競争が阻害され、国民経済にマイナスになる危険性があります。

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