FXでインターバンク(銀行間)の直先市場は、直物市場よりも数倍の取引量(売買高)があり、規模が比較的大きいです。

理由は2つあります。

1つは。直物が約定から2営業日後渡の1種類に対し、直先は先渡期間ごとにさまざまなことです。2営業日後の“直”に対するスプレッドの対象である“先”までの期間は、原則1年以内の範囲で任意に設定できるからです。

期間に関するニーズが多様なため、直先の市場規模が大きくなりがちです。

もう1つの理由は、直先の相場水準は直物のそれよりも1桁も2桁も小さいため、スペキュレーション(投機)ではそれだけ多額の売買を行わないと意味がないことが挙げられます。

直先スプレッドを売買する“フォワード・ディーラー”の取引量は、一般に直物よりもはるかに大きいです。

このように比較的大きな市場規模にもかかわらず、世の中ではFX直先市場の存在はあまり知られていないです。直物市場の動向はニュース番組でも紹介されるのに対し、直先市場の知名度は残念ながらほとんどないに等しいです。

貿易や国際証券投資のために先渡取引が日々活発に行われている一方で、その銀行でのカバー取引(直物十直先)がどのように行われているかが知られていないのが現状です。

輸出入企業や機関投資家は、FX先渡取引を行うからにはその基本的な仕組みを理解したうえで取引を行うことが大切です。さもなければ、締結する先渡の価格が妥当か否か検証できないからです。

そこで、カバー取引の仕組みに続き、先渡価格の決定の仕組み・為替商品の仕組み全体を理解していただきたいです。

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