FXの「為替」とは、現金を輸送することなく、銀行などの金融機関の仲介でお金の支払いや受け取りをすることをいいます。
たとえば、あなたがネットオークションで洋服を落札したとき、その代金を銀行などから出品者に振り込みますね。
これが為替です。同じように、電気代や水道代などの公共料金を銀行から引き落としたりするのも為替です。私たちは意識していないだけで、いつも為替のお世話になっているのです。
個人の取引はもちろん、会社同士ともなれば扱う金額が大きくなりますから、現金を持ち運びするのはとても危険だし、手間も時間もかかってたいへんです。
こうしたリスクや時間のムダをなくすために、昔の人は「為替」という便利なしくみを考え出し、それが今に受け継がれています。
為替が動くと海外旅行の出費も変わってしまう・・・
ただし、FXの為替レートが購買力平価を反映したものではないとしても、為替レートの動きで、支払うお金の額は変わってくることも事実です。
節円高・円安で出る輸出メーカーの損得とは?
外国為替が実際に問題になるのは、輸出や輸入などの貿易が行われる時です。円高・円安、輸出・輸入といってもこんがらがってしまうので、ここでは順序よく整理して採算や損得勘定を説明しましょう。
まず、輸出の場合です。テレビニュースの円相場と同じパターンで考えてみましょう。帽子メーカーがアメリカに帽子を輸出しています。
帽子はドルで値段をつけていて、10ドルだとします。このように商品にドルで値段をつけて取引することをドル建てと呼びましたね。eの場合は1ドル=110円ですので、帽子メーカーの手取りは10ドル=1100円です。この1100円で生地の仕入代金や従業員の給料を払います。
しかし、為替レートが動いて、円高となって1ドル=100円となると、どうなるでしょう。帽子のドル建ての値段の10ドルは変りません。しかし、その10ドルは1000円になってしまいます。
ドルでは値段が変わりませんが、円の手取りは少なくなります。こうした為替の変動によって、ビジネスで損失が出ることを「為替による損失」、つまり「為替差損」にの場合は100円分)と呼んでいます。
為替レートが動き円安となった時、帽子の代金は10ドルですが、円では1200円になります。最初に比べて100円余分に入ります。このようにして利益が出ることを、最初の為替差損に対して、「為替差益」と呼びます。