金庫株(Treasury Stock)とは、企業が自社株を買い入れ、保有している株のことをいいます。

2001年の商法改正以前は、原則、自社株式の取得、保有は認められていませんでした。例外的に、株式の消却やストックオプションなどのために自社株を取得、保有することは認められていました。

2001年10月のこの商法改正では、特定の目的を定めずに自社株を取得、保有することが可能となり、保有期間や保有数量などについての制限も撤廃されました。

バブル崩壊後の不良債権処理や時価会計の導入の影響で、企業同士が互いに持ち合ってきた株式を売却する株式持ち合い解消の動きが活発になってきています。大量の株式が売却されれば、株式市場において、株価が大幅に下落したり、敵対的買収の対象となったりする危険が高まります。

そのため、株価対策や株式持ち合いの解消の受け皿として、金庫株が解禁されたとも言えます。

金庫株という表現は、あくまで通称であり、商法上は自己株式の取得、保有という表現で、金庫株という言葉はありません。自社株を取得するには、まず、定時株主総会で、取得価格の総額や、取得株数を決議しなければなりません。

また、取得の財源は、配当可能な利益(資本準備金、法定準備金の一部についても認められる)の範囲内となっています。

しかし、このような自社株の取得を認めたことで、会社が自社株の取得時期や数量を会社自身で決めることができるようになり、自社株の売買を通して、株価を恣意的に動かしたり、インサイダー取引などが誘発される可能性もでてきています。

小堀ようすけのオプション取引解説【パーフェクト・ストラテジー】

会社が買い戻した自社株は、消却した場合、発行済み株式数が減少するので、1株当たりの利益などの指標が向上し、株価上昇の要因となります。一方、取得した自社株を利用して、株式交換による会社の合併、買収なども可能となります。

金庫株制度を利用した自社株買いは、多くの企業で行われていますが、なかでもトヨタ自動車は「資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行を可能とする」ために、年間数千億円規模の自社株買いを実施しています。

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