FXにおける日本経済の円高、円安による玉突き現象を見ておきましょう。
◆メリット…製品輸大安で消費者にメリットが生まれ、原材料コストダウンで企業収益にも有利です。
消費が喚起されますが、輸入品にウエートを置いた消費です。商社や流通産業は収益アップします。これが再び消費を生む部分も少しあるかもしれません。
◆デメリット…円高は輸出メーカーにダメージを与え、賃金減少、設備投資ダウン、雇用減少を生み、消費と投資を冷えこませます。
また、消費者にメリットだった製品輸入の拡大は、国内産業にはデメリットです。国内産業の製品販売を圧迫し、収益ダウンをもたらすからです。
つまり輸入品の増加で国内産業が不振となり、賃金・設備・雇用で消費に悪影響をもたらします。
以上がおおよその円高の日本経済全体への影響と考えていいでしょう。メリットとデメリットのどちらのウエートが高いでしょうか?
経済の動きにはモノの動き以外に、株価・金利・物価などさまざまな要因があり、その時その時の情勢で変わってくるのですが、やはり円高の場合、日本ではデメリットがメリットを上回ると言えるでしょう。
◆メリット…円安は輸出メーカーには有利です。輸出代金の手取り増加で収益アップし、ボーナスアップ・雇用増加で労働者の消費が喚起されます。生産増加で企業の設備投資も活気づきます。
◆デメリット…円安は原材料の海外調達ではコスト高となり、メーカー収益幅は縮小します。輸入品価格は上昇し、消費者は安い輸入品を享受することはできません。国内製品価格も下がらず、消費を伸ばす要因とはなりません。
しかし国内産業の競争は緩和され、これが企業収益にはメリットです。以上が円安の日本経済全体への影響です。
この場合は円安のメリットがデメリットを上回ると言えます。
日本経済は過去にたび重なる円高・円安の為替変動の影響を受けました。そのため、海外生産などストレートに為替変動の影響を受けない努力を日本経済はすでに積み重ねてきています。
したがって一般的に言うと、過去に比べて日本経済は、円高・円安の影響を受けにくい構造になっていることも事実です。
FXのシステムトレードも、それと同じように円高・円安のどちらにも対応できるシステムを組みたいものです。