円高・円安はFXだけでなく、輸出型企業(商品の販売先が海外中心の企業)の場合はどんな影響があるでしょうか。米国に自動車を輸出している企業の例で考えてみましょう。
東京のA自動車がニューヨークのB社に自動車を定期的に500台締出し、その代金として500万ドルを受け取っているとします。
このとき、為替レートが1ドル=100円だったら、500万ドルを円に換えたときの金額は、次のようになります。
1ドルあたり100円×500万ドル=5億円
それがもし円高になって1ドル=80円になったら、
1ドルあたり80円×500万ドル=4億円
となり、1ドル=100円のときより1億円も少なくなります。円高になると、A自動車は円の受取代金が減って損をするわけです。ところが、円安になって1ドル=120円になると、
1ドルあたり120円×500万ドル=6億円
となり、500万ドルを日本円に換えたときのお金は、1ドル=100円のときより1億円多くなります。つまり、円安になると、A自動車は受取代金が増えて得するわけです。
テレビや新聞でいう「円高・円安」とは?
よくテレビや新聞で、「今日は円高だ、円安だ」といったニュースを耳にします。
このようにFXの為替レートは毎日、「上げ・下げ」を繰り返しているわけですが、この「上げ・下げ」にはどんな意味があるのでしょうか?
たとえば、現在のFX為替レートが中央のテレビニュースのように、1ドル=110円とすると、これは1ドルを手に入れるのに110円、10ドルを手に入れるのに1100円が必要だということを意味します。
これが1ドル=100円に変わったとします。今度は1ドルを入手するのに100円、10ドルを入手するのに1000円でよいことになります。
これはドルに対して1ドルで10円分、10ドルで100円分、円の価値が上がった、つまり、高くなったことを意味します。これが円高(ドル安)です。
反対に1ドル=120円となると、1ドルを人手するのに120円必要です。この場合は円安(ドル高)ということになります。